ノーコードツールにより、専門的な知識を持たない非エンジニアでも開発できるソフトウェアやアプリケーションの種類が大幅に増えており、ノーコードは、今後、様々な業界に対して大きな推進力となることが期待されています。
そこで今回は、EasySend CEO Tal Daskal氏のコラムを元に、ノーコードツールによって特に恩恵を受ける5つの業界について紹介したいと思います。
1.小売
小売業はコロナ以前から雲行きの怪しさを指摘されており、それがコロナ禍で加速したとされていますが、その大きな理由はデジタルテクノロジーをうまく活用できていないことにありました。
しかし、ノーコードツールを活用することで「顧客にやさしいストアフロント(リアル店舗を中心とした経営)」から「顧客にやさしいフロントエンド(オンラインを中心としたUIUX設計)」への移行がスムーズになるでしょう。
2. 保険
保険は多くのレガシー産業同様、長きにわたりテクノロジーを活用するイノベーターの陰に隠れていました。しかしノーコードツールによって状況は変わりつつあります。
ノーコードツールにより、従来の「動きが遅い」と言われていた企業がスタートアップの俊敏性をも備えて経営できるようになり、保険の「レガシー」なリーダーもデジタルファーストの新規参入者と競争するうえでの優位性を手に入れました。
ノーコードプラットフォームを活用して実装する保険会社は、コスト削減・運用の簡素化・製品の品質向上を実現し、時代遅れの技術による顧客離れを回避できるようになるでしょう。
3.銀行、フィンテック、ペイメント
保険会社同様多くのハードルに直面している、レガシー企業が蔓延するもう一つの業界が、銀行業界です。
すでにモバイル銀行アプリによって、これまでの人々が自分のお金について考え、トラッキングし、やり取りする方法は変貌しつつありますが、ノーコードツールはあらゆる規模の金融企業が「顧客の基準を満たす」「toCプラットフォームを構築・維持・更新する」「クラスプラットフォーム統合を提供する」ことができるようにします。
4.ヘルスケア
Covid-19のパンデミックにより、遠隔医療や遠隔患者モニタリングなどの様々なヘルスケアテクノロジー分野が急速に発展しています。特にノーコードツールは、医療・治療のプロセス全体を通して横たわる複数の問題に対して効果的・革新的なソリューションを提供できます。
例えば患者にとってより予約を手配しやすく、医療機関にとっても予約を追跡しやすくなるオンライン予定表はノーコードツールで簡単に実装できます。またバーチャル訪問もノーコードツールで実装可能です。
これらを使用すると、医師は雑菌だらけの待合室との往復等を最小限に抑えられます。結果的に医療専門家は、技術的な問題への対処にかかる時間やコストを減らし、患者への対処という本質的な業務に多くの時間を使うことができるようになるでしょう。
5.製造業
製造実行システム(MES)は、特定の工場またはプラントでのプロセスの調整、実行、追跡をメインに担ってきたシステムですが、IT化との兼ね合いが悪かったことから、製造業の現場担当者にとっては困難が増えています。
しかしノーコードプラットフォームは、カスタマイズが安価・実装が迅速・運用上のニーズの変化に応じて更新が容易なため、製造業者が速度と頻度を増やしてカスタマイズされた新製品を生産することがますます期待される以上、業界にとって必須のものになっていくでしょう。