こんにちは。
近年、様々なタスク管理のツールが登場したことで、ちょっとしたメモは純正アプリ、タスク管理はAsanaやTrello、ファイル管理はDropbox、というように用途に応じて複数のアプリを使い分けている方も多いと思います。
しかし、用途に応じて複数のアプリを使っていると、必要な情報がどこにあるのか分からなくなってしまったり、アプリを切り替えるのに無駄な時間を使ってしまうことも多く、出来ることならひとつのアプリでタスクを一元管理したいと考えている人も多いのではないでしょうか?
近年、All-in-one workspace(オールインワンワークスペース)を標ぼうするNotionは、様々なタスクを手軽に管理できるツールであり、近年、日本でも話題を集めています。
本記事では、Notionの特徴や基本的な使い方を解説していきます。
1.ノーコードツール Notion とは?
Notionとは?
Notionは、ドキュメントやスケジュールの作成、タスクやデータベースの管理、Web制作などを1つのアプリで行うことができるノーコードツールになります。その機能の汎用性から、All-in-one workspace(オールインワンワークスペース)とも呼ばれています。
2016年にサービスをリリースしてから、現在では1000万人のユーザーを獲得しており世界的に見ても非常に人気のあるツールになっており、最近では100億ドルの資金調達を行うなど、大きな注目を集めています。
Notionを使うメリット
1.とにかく機能が万能
先ほども記述しましたが、Notionは他のアプリに比べて機能が圧倒的に多く万能なツールになっています。Notionが兼ね備えている機能は主に以下のようなものがあります。
- メモ作成
- ドキュメント作成
- ドキュメントのシェア
- Webページの作成
- ファイル保存・管理
- ガントチャート機能
- ToDoリストの作成
- タスク管理
- カレンダー管理
- マークダウン記述機能
また、コードの埋め込み機能も実装されているため、外部サービスと連携することも可能です。
そのため、カレンダーに関してはGoogleカレンダーで管理したいというような場合でも、特定のコードを埋め込むことでNotionにGoogleカレンダーを表示させることができます。
2.情報の一元管理を行うことができる
様々な機能が1つにまとまっているため、情報管理のしやすさに関しては非常に洗練されています。
複数の管理アプリを使っていると「あの資料はどこにしまったっけ?」というようなことが起こることがありますが、Notionを使えばそのような悩みは解決することができます。
3.Webサイトのようなページが簡単に作成できる
メモアプリと言えば、ただ単にメモを取るだけと言ったイメージがあるかもしれませんが、Notionではチェックボックスやリストなどの機能があるのか、多彩な文章の装飾によってデザイン編集が可能なうえ、画像や動画、さらにはWebサイトをページ内に埋め込むこともできるため、まるでWebサイトのような形でメモを取ることが簡単にできます。
また複数のページを作成することによって、Webサイトの遷移のような形でページを移動することも可能であるため、非常に使いやすくなっています。
4.共同編集を行うことができる
Notionでは、有料プランにてチームで共同編集を行うことができます。そのためチームでプロジェクトを進める上でも円滑に使用することができます。
5.デバイス間で同期可能
Notionはスマートフォンでアプリをダウンロードすることによって同期が可能になります。そのため、パソコンで編集したものをスマートフォンで確認するなど、時と場合によっても便利に活用することができます。
6.テンプレートが豊富
Notionは非常に多機能ですが、その分テンプレートも多く存在するため初心者の方でも簡単に使用することができます。
また、Notionは公式が用意しているテンプレートだけでなく、他の人が作ったテンプレートも調べればたくさん出てくるため、実際にプロの方が仕事で使っているものも簡単に使い回すことができます。
7.パソコン、スマホの機種問わずに使うことができる
NotionはWebブラウザで使用することができるため、パソコンではWindowsやMac、スマホではiPhone、Android全てに対応しています。インターネットさえ使えれば誰でも使用することができるので、ノーコードツールの中でもハードルが低いと言えます。
Notionを使うときの注意点
1.使われている言語が全て英語
Notionで使われる言語は全て英語になっています。そのため英語に慣れていない人が使うと少し不便に感じるかもしれません。
ただ、最近、日本語表示のベータ版のリリースがなされているので、近いうちに本リリースが完了して、2021のうちにこのデメリットは解消される可能性も高いと考えられます。日本語表示の詳細については、以下のNotionのプレスリリースをご覧ください。
2.有料プランでないと共同編集することができない
Notionは、複数人でページの編集やプロジェクト管理する場合は有料版を契約するしかありません。それに比べて、Google関連のツールは無料である程度の共同編集は行うことができるので、人によってはそちらを使った方が良いかもしれません。
しかし、Notionの共同編集機能は本当に便利なので、多少の金額を払ってでも使う価値はあると考えられます。
Notionが使われている事例
Notionは実際に企業のコーポレートサイトやLP(ランディングページ)としても活用されているので、その中からいくつかの事例を紹介したいと思います。
1.Appify
こちらはECのネイティブアプリを開発できるノーコードツールのLPとして使用されている事例です。簡易なWebサイトであればNotionで短時間で作ることができてしまいます。
2.株式会社ソウゾウ
こちらはメルカリShopsを運営している会社のコーポレートサイトになります。シンプルでありながら、ところどころ画像を使用することによって分かりやすいWebサイトになっています。
3.Notion事例集
こちらはNotionで作られた企業サイト事例集が載っている、Notionで作られたWebサイトです。先ほど紹介した事例もこちらから抜粋させていただきました。他にもNotionの事例を知りたいという方は同サイトから、調べてみてください。色々なNotionの使い方が知れるので非常に勉強になります。
Notionの料金プラン
Notionには、以下の4つのプランが用意されています。
- Personalプラン
- Personal Proプラン
- Teamプラン
- Enterpriseプラン
個人で使用する場合は「Personalプラン」または「Personal Proプラン」、
チームで使用する場合は「Teamプラン」または「Enterpriseプラン」を使うことを推奨します。
それぞれのプランの機能の違いについては以下のようになります。
Personal | Personal Pro | Team | Enterprise | |
料金(年契約) | 無料 | $4/月 | $8/人/月 |
お問い合わせ※1
|
料金(月契約) | 無料 | $5/月 | $10/人/月 | お問い合わせ |
メンバーの数 | 本人のみ | 本人のみ | 無制限 | 無制限 |
ゲストの数※2 | 5人 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
ファイルアップロード | 5MB/ファイル | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
編集履歴※3 | なし | 過去30日 | 過去30日 | 無制限 |
サポート※4 | なし | あり | あり | あり |
共同ワークスペース | 使用できない | 使用できない | 使用できる | 使用できる |
プランの詳細に関しては、公式のドキュメントをご覧ください。
※1 Enterpriseプランを使用する場合は、前回までは月額$20/人/月となっていましたが、現在はNotionのサポートに直接コンタクトを取る必要があります。上記のNotion公式ヘルプからコンタクトを取ることが可能です。
※2 ゲストとは、Notionのワークスペースを編集することはできないが個別ページのみ編集することが可能なメンバーのことを指します。詳しいゲストとメンバーの違いについてはこちらをご覧ください。
※3 編集履歴とは、過去に編集した記録を復元することができる機能になります。そのため、有料プランでは基本的に過去30日までの記録は残るため安心して編集を行うことができます。
※4 Notionでは有料プランに加入すると、Notionチームによる優先的なサポートを受けることができます。
2.Notionを使うための準備をしよう
Notionアカウントの作成
Notionは基本的な機能を触るだけであれば無料で利用することができますが、他のノーコードツールと同様に会員登録をする必要があります。
まずNotionの公式サイトへ移動し、右上にある[Try Notion Free]をクリックしましょう。
すると、以下のような画面に移動するので、メールアドレスなどの必要事項を記入、パスワードを設定してその後の指示に従えばアカウントの作成が完了します。
GoogleアカウントまたはAppleアカウントと連携して使いたいという方は、中央にある[Continue with Google]または[Continue with Apple]をクリックすることによってNotionアカウントを作ることができます。
途中でどのように使用するかと聞かれますが、個人で利用する場合は「For Myself」、複数人で利用する場合は「With my team」を選択しましょう。
全ての操作が完了すれば、以下のようなNotionのワークスペースに移動することができます。
Notionのパソコンアプリをダウンロードする(任意)
NotionはWebブラウザで使用することはできますが、パソコンアプリでも使用することができます。実際にブラウザでなくアプリをダウンロードすることによって以下のようなメリットがあります。
- より快適にNotionを操作できる
- アプリ限定のショートカットを使用できる
パソコンアプリのダウンロードは以下より行うことができます。
【Notion公式】パソコンアプリのダウンロード(Mac & Windows)
Notionのスマホアプリをダウンロードする(任意)
Notionのスマホアプリをダウンロードすることによって、パソコンとスマホ間でデータを同期・編集することができるようになります。これからNotionをスマホでも使っていく場合は必ずダウンロードしておきましょう。
3.Notionを実際に使ってみる
画面の構成を理解する
Notionの会員登録が完了し、ログインすると以下のようなホーム画面が現れます。
Notionの画面構成は主に3つに分かれます。
- 左側の画面:左サイドメニュー
- 中央の画面:エディター
- 右側の画面:右サイドメニュー (右上の【・・・】をクリックすると表示される)
左サイドメニューの役割
Notionではプロジェクトなどの情報を一元管理する「ワークスペース」と、特定の情報を整理するための「ページ」によって構成されています。左サイドメニューでは、ワークスペースの設定やページの追加や削除などを行うことができ全体的な設定を行うという役割があります。
また、初めてログインした際には「Getting Started」や「Meeting Notes」などのページが勝手に作られていますが、これはNotionの使い方について英語で説明されていたり、テンプレートが並べられているだけなので、全て消してもらって大丈夫です(ページの右にある【・・・】をクリックして、【Delete】をクリックすることにより削除可能)。
これらのページを置いておいておくとページの数が多くなってしまい、Notionが使いづらくなってしまいます。
エディターの役割
中央のエディター画面では、左サイドメニューで作ったページの編集を行うことができます。メモを取ったりタスク管理など、多くの動作がこのエディター画面で行われます。
右サイドメニューの役割
右サイドメニューでは、
- フォントの設定
- 文字の大きさの調整
- ページの大きさの調整
- シェア範囲の設定
- ページの移動
など、ページに関する詳細な部分の編集を行うことができます。
ページを作成し、タイトルを入力する
それでは実際にワークスペースにページを追加していきましょう。
左サイドメニューのページの下にある【+ Add a page】をクリックすることでページを追加することができます。
そして「Untitled」と薄い文字で書かれているところにタイトルを入力します。それによってページのタイトルを決めることができます。
本文を入力する
タイトルを決めてしまえば、早速本文を入力することができます。以下の画像のように自由にメモを取ることが可能です。
改行するときは、以下のキーで行うことができます。
- 【Enter】をクリックすると、少し間隔を空けて改行
- 【Shift +Enter】をクリックすると、間隔を空けずに改行
以下のようにテキストを入力する部分(ブロック)の右側のプラスボタンをクリックすると、たくさんの項目からテキストのブロックのタイプを選択することができます。
試しに【Heading 1】を選択すると、見出しのような形でテキストを入力することができます。
【To-do list】を選択すると、以下のように簡単なTo-doリストを作成することができます。他にも、ナンバーリストやトグルリストなどたくさんの種類のテキストを作成することができるため、自分好みのページにカスタマイズすることができます。
画像などのファイルを挿入する
先ほどと同じようにブロックの右側の +ボタンをクリックして「MEDIA」と書かれている部分までスクロールします。そこから自分がアップロードしたいファイルを選択して、ページに挿入することができます。
ここでは、画像ファイルをアップロードしたいと思います。
リンクを挿入する
ページにWebサイトのURLをコピー&ペーストすると、以下のように3つの選択肢からリンクを挿入することができます。
- Dismiss:そのままのURLをページに挿入
- Create bookark:ブックマーク状(タイトルと説明が入ったような形)のURLを挿入
-
Create embed:そのURLを持ったWebサイトの画面を挿入
デザインの設定を行う
テキストと背景の色を変更する
テキストの色を変更するにはまず、対象となるテキストの左にある以下の画像の赤枠のボタンをクリックします。
そして【COLOR】にカーソルを合わせます。すると、以下の赤枠の部分が表示されるので、そこから好きな色を選択します。
すると、テキストを選択した色に変更することができます。基本的にNotionでは、ブロックごとに色の変更を行う形になります。
また、【COLOR】の下にある【BACKGROUND】の部分から色を選択すると、背景の色を変更することができます。
私はいつも見出しには、テキストの色を変更するのではなく背景を【Gray background】に設定して使用しています。するとより分かりやすくページをまとめることができるので、デザイン性が高いページを作成することができます。
ページ毎のフォントやレイアウトを設定する
Notionでは、一つ一つのフォントを設定することもできますが、ページ全体でフォントやレイアウトをまとめることも可能になっており、ページの右上にある【・・・】をクリックすると表示される右サイドメニューから設定を行うことができます。そして主に以下の3つのボタンからページのフォントとレイアウトを変更することができます。
- 【STYLE】:全体のフォントを3種類のフォントから選択できる
- 【Small text】:全体のテキストの大きさを小さく表示させる
- 【Full width】:ページの左右の余白を調整することができる
ページ先頭にアイコンやカバー、コメントを表示させる
ページの一番上に戻り、タイトルの部分にカーソルを合わせます。すると【Add icon】【Add cover】【Add comment】と表示されるので【Add icon】を選択します。すると、ページの先頭に表示するアイコンを選択することができます。
また【Add cover】を選択するとページの先頭に表示するカバーを選択、【Add comment】を選択するとタイトルの下にコメントを追加することができます。
ブロックの順番を入れ替える
テキストの横にある以下の赤枠のボタンをクリックしながら、ドラッグ&ドロップするとブロック毎移動させることができます。
複数のテキストを選択した場合でもドラッグ&ドロップを行うことができるので、見出しの順番を変えたいという場合などにも対応することができます。
新たなページを作成する
Notionでは、Webサイトのようにページの下にさらにページを作ることができます。
方法としては、テキストの左にある +ボタンをクリックし、そこから【Page】を選択すると新たにページを作成することができます。
新たなページには、左サイドメニューまたはページのテキストから移動することができます。
この機能を使うことによって、単なるメモだけでなく仕事のミーティングの議事録などでも便利に活用することができるので、ぜひ実際に現場で使ってみてください。
仲間にページを共有する
Notionを使うメリットとしても記述しましたが、Notionでは仲間にページを共有することができます。
右上にある【Share】ボタンをクリックすると以下の画像の赤枠の部分が表示されるので、そちらからシェアの設定を行うことができます。
【Share to web】のボタンをONにすると、ページに入った人がどのように編集することができるかを設定することができます。設定項目としては以下のものがあります。
- Allow editing:ページを編集することを許可する
- Allow comment:コメントを付け加えることを許可する
- Allow duplicate as a template:共有したページを複製してテンプレートとして活用されることを許可する
- Seaech engine indexin:検索機能を使うことを許可する(PERSONAL PROプラン以上限定)
またメールアドレスを用いて招待することもできます。
URLを共有する場合では不特定多数のメンバーに拡散される恐れがありますが、メールアドレスで招待すると特定のメンバーにのみ共有するということが可能になります。
またメールアドレスでの招待は以下の赤枠の部分をクリックすることででき、招待した人には以下から権限を選択することができます。
編集の権限については、以下の項目から選択することができます。
- Full accses(PERSONAL PROプラン以上限定):ページを編集することができ、他人に共有することもできる
- Can edit:ページを編集することはできるが、他人に共有することはできない
- Can comment:ページの閲覧とコメントを行うことができる
- Can view:ページの閲覧のみ可能
プランの内容でも記述した通り、Teamプラン以上を契約すると、ページだけでなくワークスペース毎に仲間を招待することが可能になります。
4.おわりに
本記事では、Notionの基本的な使い方について紹介していきました。
今回はNotionの機能が豊富なあまり、基本的な機能しか紹介できませんでしたが、Notionの機能をさらに使いこなせるようになれば仕事の生産性を向上させることが出来るでしょう。
今後も各ノーコード開発ツールの使い方を分かりやすく紹介していきたいと思います。
また、ノーコードジャパンでは、ノーコード開発者たちが気軽に質問し合える無料のプラットフォームNoCode Forumを運営しております。ノーコード開発で分からないことがあったら一人で悩まず、気軽に質問してみましょう。